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電子ピアノでも練習に問題ないの?ー電子ピアノとアコースティックピアノの違いー

更新日:2022年6月10日



ピアノ教室に通うことになったら、最初にどんなピアノを買ったらいいの?と迷われる方は多いと思います。すぐに買い替えられる金額や大きさではないだけに、電子ピアノとアップライトピアノどちらにするか迷ったり、電子ピアノのどんな機種を選んだら良いのか悩んでしまうかもしれません。

どちらにしても私が最初に説明したいなと思うのが電子ピアノとアコースティックピアノそれぞれにできることの違いです。


そこで今回は電子ピアノとアコースティックピアノについて書いていきたいと思います。電子ピアノを既に持っているけどアコースティックピアノも気になっている、という方もぜひお読みください。

 

まずお断りしたいこと


電子ピアノはとても画期的な楽器です。日本の住宅事情ではグランドピアノやアップライトピアノを置くことができないことも多く、また、趣味にしては初期費用が掛かりすぎてしまうという高いハードルも下げてくれます。電子ピアノのおかげで自宅で気軽にピアノを弾くことができ、たくさんの人が音楽に親しむことができるのは良いことだと思っています。


ここからは、ご自身やお子さまが深く音楽を理解し楽しむ感性、テクニックを伸ばしていくことを想定した時のお話をしようと思っています。アコースティックピアノで表現力豊かな演奏を追及したいという目標を持ってピアノを弾く場合には大切なことです。ご自分の意見と比較しながら読んでみてください。

 

ピアノの種類

ピアノはコンサートホールで見るようなグランドピアノ、家庭で弾かれるような箱型のアップライトピアノ、そして電子ピアノの3種類に大まかに分類できます。


・グランドピアノ

ピアノと言われると最初に思い浮かべるのが、グランドピアノではないでしょうか?コンサートホールや学校の音楽室にある大型のアコースティックピアノです。こちらはピアノの弦の長さが長く、ピアノの種類の中で最も良い響きが得られるような設計となっています。


・アップライトピアノ

こちらは家庭用の箱型のアコースティックピアノです。グランドピアノと比べると場所を取らないため、家の中に置きやすいメリットがあります。省スペースのために弦を垂直方向に張り、響板が裏側に付いています。


・電子ピアノ

電子ピアノはその名の通り電子楽器の1つです。アコースティックピアノの録音された音を、スピーカーから出す仕組みの楽器です。YAMAHA、KAWAI、Rolandを始めとした各メーカーがタッチや音質にこだわり、楽器としての改良が重ねられています。


この3種類の中でも、グランドピアノとアップライトピアノは楽器の弦が振動するアコースティックピアノ、電子ピアノは録音された音がスピーカーから鳴る仕組みとなっていて、楽器の構造が大きく異なります。

 

電子ピアノとアコースティックピアノの違いとは?

ここからはアコースティックピアノと電子ピアノの主な違いを見ていきましょう。


・音の出る仕組みの違い

アコースティックピアノで音を出す場合、鍵盤を押してハンマーを上げて、そのハンマーが弦を叩くことで音が出るという仕組みです。そこから出た音が響板に伝わり広がっていき、更に他の弦が共鳴することで豊かな響きが得られます。


一方、電子ピアノには弦や響板がありません。鍵盤を押すと鍵盤1つ1つが音を出すボタンの役割をして、録音された音がスピーカーから鳴ります。 音質は機種により異なりますが、機種のランクに応じて良い録音を良いスピーカーから鳴らして弾くことができます。


 

・タッチの違い

アコースティックピアノのアクションは複雑な仕組みで出来ています。1つの音を出すために使われている部品の数は70〜80個です。木製の鍵盤を押すとそれらの部品が連動して動き、ピアノの繊細なタッチを生んでいます。同じメーカーやモデルでも1台1台異なる音色やタッチが出来上がるほど繊細なものです。


電子ピアノの鍵盤はアコースティックピアノと比べると複雑な構造をしていません。 技術によってアコースティックピアノに近いタッチを生み出しています。最新の電子ピアノは、よりグランドピアノで弾くようなタッチに近づける工夫がされています。木製鍵盤やアコースティックピアノの鍵盤機構を用いて、よりアコースティックに近いタッチを得られる機種もあります。しかし、ほとんどの機種は技術的にアコースティックピアノと同じと言えない大きな差があるように感じてしまいます。


 

・音色による表現ができるかの違い

アコースティックピアノは弾き手による打鍵の個性が音色に反映されます。同じピアノを弾いていても弾く人によってそれぞれ違う音が出ます。そのくらい繊細に弾き手の打鍵を捉えて反応してくれるので、音色表現には無限の可能性があります。

また、アコースティックピアノは鍵盤を強く叩きすぎると雑音が入りすぎたキツい音が鳴ってしまいます。それを防ぐために手のフォームを改善したり、力加減を耳で聴きながら調節します。


電子ピアノは録音された音なので誰が弾いても基本的に同じ音で鳴ります。電子ピアノは前述のように、響きの良い音しか鳴らないため音に対する意識が希薄になりがちです。また、機種によってはアコースティックピアノよりも強弱の差が大きく出てしまう、逆にほとんど差が出せないこともあり、欲しい音が上手く引き出せないことがあります。アコースティックピアノで弾いた時に差が出やすいのは、この音色の違いの問題が大きいと感じています。


 

電子ピアノではピアノは上達しないの?

こんな風に書いてきましたが、電子ピアノではピアノが全く上達しないということはありません。もしも電子ピアノでより良い演奏を目指したいと思ったら、ある程度はアコースティックピアノで弾く感覚をピアノレンタルなどでカバーする事ができると思います。アコースティックピアノの響きに慣れ、どんな音が出るかを感覚的に覚えることができれば、普段の練習は電子ピアノを使用しても良いでしょう。


ただ、プロのピアニストを目指す、コンクールの上位入賞を目指すとなってくると、アコースティックピアノに触れる時間を長くしないと難しいと思います。稀にそのハンデを超えるような才能豊かな方もいらっしゃるのかもしれませんが。

 

電子ピアノでできること

ここまで電子ピアノに厳しいことを書いてしまいましたが、私はアコースティックピアノと電子ピアノを併用しています。それはもちろん電子ピアノにしか無いメリットがあるからです。ここからは電子ピアノが持つメリットを挙げてげてみたいと思います。


・時間を気にせず弾ける

電子ピアノの大きな特徴は、音量の調節が出来ることとヘッドフォンを使えることでしょう。電子ピアノでも譜読みの作業は問題なくできます。音取りや指番号の確認はアコースティック楽器と同じようにできるため、私が学生の頃にも使用していました。鍵盤を叩く音、ペダルを踏む音以外が周りに聞こえることがないので、ヘッドフォンを使用して練習すればあまり時間を気にせずに弾くことができます


 

・音色を様々に設定できる

ピアノなのにピアノ以外の楽器の音で弾くことができます。機種によっては数百種類の音が入っていて、ヴァイオリン、トランペット、パーカッションなど、ありとあらゆる楽器の音で楽しむことができます。中には効果音で爆発音やクラクションの音などの変わり種もあって、小さい生徒さんが大喜びで試していました。


バッハの音楽をチェンバロの音で弾いたりできるし、コラールをコーラスの音で弾いたりできるのは面白いかもしれません。身近に聴く機会が少ない楽器の音を聴けるのは、インスピレーションが広がるかもしれませんね。


 

・録音機能やメトロノームを購入しなくても使える

多くの電子ピアノには録音機能が搭載されています。気軽に録音をして自分の演奏を聴くことができます。自分の演奏を録音しておけば自分とのピアノデュオも可能ですね。また、メトロノームも初めから内蔵されていることが多いです。本物のメトロノーム、電子メトロノームを使用しなくてもボタン1つで使えるのは楽ですね。



 

結論: ご家庭の環境や目的によって選びましょう

ピアノ本来の響きを味わうことが目的の人にとって、アコースティックピアノと電子ピアノは見た目は似ていながらまったく別の楽器と言っても良いでしょう。言いにくいですが、そのくらいに異なる楽器です。ですが、それぞれのご家庭のご予算、住宅環境でアコースティックピアノを置けるのか、置けないのかが変わってきます。電子ピアノが粗悪でアコースティックピアノは良いものだという事ではなく、それぞれの良いところを知り、目的に合った選び方をするのが良いのだと思います。


電子ピアノで練習していたとしても、ピアノ教室に通っていたら先生に相談しながら演奏の方法を考えることもできます♪


ぜひご相談くださいね。

 

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