前回のヴァルトブルク城登山の続きです。
帰国してはいるのですが、アイゼナハをまだ紹介できていなかったので書いてみようと思います。 アイゼナハと言えばバッハの生まれた故郷の街としても有名で、この旅の中でも訪れてみたかった街でした。中心部もそんなに大きい建物もなく、あまり都会過...
世界遺産のヴァルトブルク城に登山でたどり着き、ついに中に入ります。
城塞の中には無料で入れますが、城の内部に入るにはチケットが要ります。決まった時間に他の観光客と一斉に入り、ドイツ語のガイドさんについていきました。
ちなみに、写真を撮るためにはプラスで2€で撮影許可のシールをもらい、見えるところにつけておく必要があります。
約950年の歴史のあるお城
最初に入った部屋では、いきなり中世の頃の装飾が飾られています。
解説を見たらレプリカだったのですが、趣のある彫刻や古そうな絵画が飾られていました。
ガイドさんによると、創建当時の石材は7割、増築されたり改修されたりした部分が3割なのだそうです。950年前のままだとしたらもうぼろぼろになってしまっているでしょうから、昔からしっかり手入れされていて保存活動がされてきたのだと思います。
よく説明していたのが部屋の柱の装飾です。権力の象徴、鷲とライオンの彫刻がされています。
いくつかの部屋で柱の上下に見られました。
1つ1つに個性のある部屋
入って圧巻だったのが壁や天井全体に描かれたモザイク画の部屋です。
こちらは19世紀に入ってから作られたのだそうですが、この城に嫁いできたエリザベートという人物の生涯を描いたものです。高い身分にありましたが貧しい者に手を差し伸べ、病院を建設するなど庶民のために手を尽くし、聖女としてここに描かれています。とても美しい部屋です。
歌の間
ここには13世紀の領主の頃によく開かれていた歌合戦の伝説が残っています。
あるとき6人の歌手が集まりここで歌合戦をするのですが、負けた歌手は絞首刑にされるというルールでした。
皆が負けないように主催者を称える歌を歌う中で、1人だけが自分の国の領主を褒め称える内容の歌を歌ったことで反感を買ってしまい、敗者となってしまいました。
しかし絞首刑を免れるために切り抜けていく・・・といったストーリーです。
ワーグナーがこの物語を原作として《タンホイザー》というオペラを書いています。特にその中の1曲、タンホイザー・マーチはおそらく皆さんどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
現在の内装は19世紀ごろに改修されたそうで、とても豪華な装飾になっています。
この歌の間の他にももう一つ劇場があったり、礼拝堂があったり、、この城が音楽文化をとても大事にしていたことがわかります。所蔵品にもハープなどの楽器も展示してありました。(実際にヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデなど音楽史で学んだ記憶のある人物の名前もこの城で見かけます。)
ルターの部屋
この城から出て隣接する家に行くと、ルターの部屋という部屋があります。
ルターと言えば世界史の宗教改革に関連して必ず習う人物ですが、彼はカトリック教会と対立して国外追放となってしまった時に偽名を使い約1年この城塞に匿われていたのだそうです。
新約聖書をドイツ語に翻訳するという有名な業績がこの部屋で行われていたのだそうで、予備知識が全くなかった私にはとても驚きでした。
苦しい状況の中、とても質素な部屋で俗世とも離れたようなこの場所は、思索や翻訳きっとはかどったと思います。
世界遺産の歴史の詰まった城
ヴァルトブルク城は中世の城としては、やはり他の城とはスケールが1回り大きいのだろうなという印象でした。他には昨年に訪れたエルツ城しか知識はないですが・・・
ヴァルトブルク城は歴代の領主の権力があるのは言うまでもなく、芸術分野や移り変わっていく社会への識見も素晴らしかったのだろうと思います。もうすぐ1000年に迫ろうとしている歴史がある城とは思えない程しっかりと現代に受け継がれていました。
ちなみに帰りはアイゼナハの街までのバス(1時間に1本)で下山しました。
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